反省文 松田桃太 

相沢さんがあまりにも怒っているようなので、謝罪の気持ちをこめて反省文を書きます。
僕は今日、お正月、竜崎に着物の着付けをしてあげました。
何故なら竜崎が着物を着たいと言い出したからです。
何故そんな事を竜崎が言い出したか、それは今日の朝、捜査本部のテレビをつけた他ならぬ僕のせいです。

僕はテレビはNHN派なので、もちろんお正月もNHNの初詣の中継を見なければと思い、テレビをつけました。
テレビには、奇麗な着物を着たリポーターがおせちを持って神社の前で何か喋ってました。
そして僕は言ったんです。 いや、ホント失敗したと思ってます。 でも言ってしまったんです。

「竜崎、アレおいしそうですね。」

それまでテレビとは違う方向を見ていた竜崎はハッとテレビの方を向き、画面を2,3秒見つめてました。 そして言いました。



「・・・松田さん、私もアレ、着たいです。」



僕はてっきり竜崎は「・・・私も栗きんとん食べたいです。」とか言うだろうなぁと思っていたので、最初は何の事か分かりませんでした。

「え。何を着るんですか?」
「松田さん馬鹿ですか? あのリポーターがきてる服です。」


竜崎が何を言っているのかよくわかりませんでした。
だっていつもあのだらしないダボダボのジーパンと白シャツの竜崎が

着 物 が 着 た い で す よ?

そんな夢みたいな話が・・・いえ、そんな夢みたいな話ってあると思いますか?
それがあったんです。
もう昇天モノですよね。


でも、僕はそんなことは無理だと思いました。
だって竜崎が着物なんか持ってる訳ないじゃないですか。  それで言ったんです。
「でも竜崎着物なんて持ってないでしょう? 無理ですよぉー。」
すかさず竜崎は言いました。

「じゃあ、松田さん、あれば着付けしてくれますか?」

えぇ、僕はその時深く考えずに「えぇ、いいですよ」って言ってしまいました。
相沢さんごめんなさい。


僕が答えた瞬間、竜崎はシュバッと携帯をズボンのポッケからとりだして言いました。

「ワタリ、今NHNでリポーターが着ている服を。 今すぐ。」


僕は世紀の名探偵を甘く見ていました。
その後5分足らずで本部に着物が届けられ、竜崎はその箱を僕に渡して
「じゃ、松田さん、お願いします。」
って言いました。


僕は動揺したと同時にすごく幸福な気分になりました。
だって竜崎の! 着替えを! 手伝う!

しかも着物!!

もうキラ逮捕なんかどうでもいいと思いました。 あ、今は思ってませんよ、相沢さん。

そして僕は赤面する顔を押し隠しつつ、着物の着付けを紹介するサイトを見ながら何とか竜崎に着物を着せてあげる事が出来ました。
髪飾りもつけてあげました。


もう、超可愛かったですよ。

相沢さんもそう思いましたよね?


その後竜崎が
「なにか・・・・甘い物を・・・。」

と言い出したので、僕は竜崎の為に普通より三倍味の濃いお汁粉を作り始めました。
料理の途中で竜崎にお餅は何個がいいか聞きに行くと竜崎は1人でマリつきをしていました。



超可愛かったですよ。
相沢さんも見れたらよかったですね。 
もうあの時の竜崎は宝物です。


僕は気分よくお汁粉を作り終えて竜崎の所まで持っていこうとしました。
しかしその気分は直ぐに害されました。
だってなんで竜崎は1人でマリつきをしていたのになんで



月君が一緒になってマリつきしてるんですか。
しかも顔に墨ついてるし。 キモイなぁ。


呆然として眺めていると気づいた月君がこっちを見てニヤリと笑いました。


あそこまで人を惨たらしく殺してやりたいと思ったのは久しぶりでした。
えぇ、あくまで久しぶりです。

そんな気持ちを抑え僕は一人、自分で作ったお汁粉を食べ始めました。
何だかあの中に割って入っても月君に邪魔されそうな気がしたので。

しかし、そのお汁粉はあくまで”竜崎向け”に作られたお汁粉で。


当然咽せました。


僕は一人苦しくゴホッゴホッと咳をしていました。
涙が出てきます。  なんて僕は可哀想。 その時!

背中をぎこちなくさする手が!!!!


「大丈夫ですか、松田さん・・・」



マイエンジェル(竜崎)・・・!!


僕がどれだけ嬉しかったか分かりますか。


その後もぎこちない手でさすってくれる竜崎。 なんてやさしいんでしょう。 ていうか


超可愛い(´∀`**)


そうやってしばらく竜崎の優しさに浸っていました。
そして気づきました。

後ろからの憎悪の視線に。



えぇ、月君です。 いや、夜神です。
もうあんなのは呼びつけでかまいません。(脳内に限り)


そんな夜神の視線は無視して竜崎に背中をさすってもらっていると、夜神が急に叫びました。


「竜崎!!!!! こんなところにお汁粉が!!! しかもめっちゃ甘い!!」
夜神はさっき僕が作ったお汁粉のナベを持っていました。

竜崎はその言葉に反応して、ぬっと立ち上がると
「・・・お汁粉・・・」
と言い残し、夜神の所へフラフラと去っていきました。


僕はこの時、自分の命に代えても夜神月に復讐する事を誓いました。




そしてだんだんと廃人と化していく僕を尻目に、着物姿の竜崎と夜神がお汁粉を食べている所、相沢さんが帰ってきたという訳です。


・・・・竜崎に着物を着せたのは僕です。 すいませんでした。


でも、ちゃんと捜査はしていきます。
捜査の時は竜崎の事ではなく、キラ逮捕の事を考えます。
すいませんでした。


最後に相沢さん。



近日中に僕が死んだら間違いなく夜神月がキラです。











*あとがき*
バカやってすいません。
元々は手紙で私とケイが台詞だけ考えた物だったのですが。
・・・このたび小説化(反省文化)することになりまして。
うん。 ホントバカだ。 

ちなみに松田は最終話の前の話で復讐しました。
あの日の為に射撃めっちゃ訓練してました。


そして何で月の顔に墨が付いていたかというと
竜崎が松に着付けしてもらってる間、ホントは月居たんだけど間に入れなかったので
ふてくされて書き初めやってたからです。(うわぁ
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